エンディングノートを書こうと思って、文具店でノートを買ったまま引き出しの中に眠っている。そういう方が、相談に来られる方の中にも少なくありません。「何を書けばいいかわからない」「全部書かなければいけない気がして、かえって手が止まる」。そのお気持ち、よくわかります。でも、エンディングノートは一度に完成させるものではありません。

エンディングノートに書く三つの領域 ¶
エンディングノートの内容は、大きく三つに分けられます。一つ目は「財産・手続きに関する情報」。銀行口座、保険証券、不動産の権利書、デジタルアカウントのIDなど、家族が後で困らないための実務的な情報です。二つ目は「医療・介護の希望」。延命治療についての考え方、認知症になった場合の対応、介護を受けたい場所など。三つ目は「家族へのメッセージ」。感謝の言葉、伝えておきたいこと、葬儀や埋葬の希望です。
どこから始めるか:入口は一つでいい ¶
「財産のことが気になる」という方は、まず銀行口座の一覧を作るところから始めてください。通帳を引っ張り出して、口座番号と銀行名を書き留めるだけでも立派なスタートです。「介護が心配」という方は、「自宅で過ごしたいか、施設に入りたいか」という問いに答えるところから。「家族に伝えたいことがある」という方は、手紙を書くつもりで一段落だけ書いてみてください。入口はどこでも構いません。
保管場所と家族への伝え方 ¶
書き終わったノートは、家族が見つけられる場所に置くことが大切です。金庫の中や、鍵のかかった引き出しの奥は避けてください。「いざというときに開けられない」という事態が実際に起きています。リビングの本棚、または家族全員が知っている場所に置き、「こういうノートを作った」と一言伝えておくだけで十分です。内容を全部話す必要はありません。
定期的に見直すことの大切さ ¶
エンディングノートは、一度書いたら終わりではありません。引越し、口座の変更、家族構成の変化があるたびに更新が必要です。Mindful End Legacyでは、年間サポートプランの中で年1回の見直しセッションを設けています。「書いたけど古くなってしまった」という方のご相談も歓迎しています。
エンディングノートは、死の準備ではなく、今の自分を整理するためのツールです。書くことで、自分が何を大切にしてきたかが見えてきます。まずは一行から始めてみてください。